ご家族の皆禄へ

「ブーフーウー三匹の子豚を読んだ子供から『木の家はオオカミがフ〜っと吹くと飛ばされるからイヤだ!』と言われた。ああいう木造住宅のイメージを悪くする童話は困る」知人のそんな一言で、この絵本は生まれました。子供のときにマンガや絵本で悪いイメージを植え付けられてしまうと、大きくなってから訂正するのはとても難しいからです。

木の家は弱いという意識が頭の中に染み込んでいると、地震の時に古い家や十分な補強がされていない家が壊れても、「木造住宅は弱い。だから地震で壊れたのだ」と木造住宅全体が弱いように誤解されてしまいます。材料を選び、ちゃんと作れば木造住宅は台風でも地震でも壊れないと言う事を知って欲しいと考えて作りました。

 


それから、もう一つ。子供向けの童話やアニメには悪いヤツは徹底的にやっつけ、殺してしまってもかまわないという内容のものが多過ぎることへの批判も含めました。童話や絵本では悪者扱いされることの多いオオカミだって、心を入れ替えれば仲の良いお友達です。異質なものを排除し、嫌なヤツは虐めるという風潮を改め、心の広い、寛容の精神を持った子供に育って欲しいという願いを込めました。

木造建築に携わる人間が作った絵木ですが、お子様に繰り返し読んで聞かせて項ければ幸いです。

作者