国産材が外材よりも優れているのは

NPO国産材理事長 榎戸 正人

国産材が外材よりも優れている点は、日本の気候風土の中で育った木ですから、日本の気候風土に最も合っているという事です。

もちろん、外国にもベイヒ、台湾ヒノキ、ベイヒバのように腐れに強い樹種もありますが、資源的に限られているので大量供給は出来ません。

特に最近、急速に需要が拡大している欧州の木材は極めて腐り易く、シロアリにも弱いので、北海道のように梅雨の無い、シロアリも少ない地域以外の日本国内で使用するのは危険です。

昔は材木屋の見識で、エゾマツやアカマツの用途はタルキや下地材に限られ、柱や筋交いのような構造材には使われませんでした。長持ちしないことが明らかだったからです。

しかし、欧州材が集成材の形で使用されると、あたかも集成すれば腐れやシロアリにも強くなるかのような錯覚に陥り、平気で使用されるようになってしまいました。恐ろしいことです。

私は欧州材が輸入され使われ始めた頃から、その危険性を指摘してきました。法律で規制するのではなく木材業界の良識に訴えて、このような腐り易い樹種の使用を制限しようと考えたのですが、世の中の流れは全く逆で、機械加工のプレカットの普及と工場の大型化に伴い寸法精度に勝り、後からの狂いによるクレームの少ない集成材のシェアが高まり続けました。今や、全木造住宅の過半数、プレカットに関しては70%以上が欧州の集成材という状況です。

もはや、木材業界の良識に期待することは出来ず、消費者にこの事実を知って頂くしかないと考えています。

以下は雑誌「新建ハウジング」2006年1月号に掲載された特集記事から抜粋
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